お客様全員に商品を届けたい―――適切な商品製造数を見極め、消化率の問題を解決した取り組みを紹介。

株式会社ブシロードクリエイティブ
Collectro導入前の課題と導入のきっかけ
今回、Hogetic Labと取り組みを始めた部署について教えてください。
イベントやポップアップストアでの物販を担当している部署になります。ブシロードコンテンツのライブ・イベントでのグッズ販売をメインに、ポップアップストアなどの催事運営も行っています。
欲しい人に欲しいものを届けることをミッションとしています。そのために、イベントの限られた時間内で、円滑にグッズ販売ができるようなオペレーションと事前準備をすることが主な業務です。(堀本氏)
導入前には、どのような課題がありましたか?
当時は、在庫過多が課題になっていました。欲しい人にきちんと行き渡って、最終的に在庫がゼロになることが理想ですが、さすがにそれは難しいですよね。
当社では、ひとつのIPコンテンツに対して、プロモーション全般を担当する部門(コンテンツ部門)と、ライブやイベント会場でのグッズ販売を担当するわれわれの部門(クリエイティブ部門)など、複数の部門が存在しています。
コンテンツ部門は、お客様全員にグッズを届けたいので、在庫を切らしたくないという気持ちがありますが、われわれクリエイティブ部門としてはやっぱり在庫を残したくないんです。
なかなかちょうど良い製造数を決められず、多すぎるか、少なすぎるかのどちらかになってしまい、結果として多く作りすぎた在庫が積み重なっていたので、やっぱり在庫を減らしたいという思いがありました。(山本氏)
Collectroを導入しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
在庫過多になっていた背景として、製造数の決め方が問題になっていました。
過去の数字は見ていましたが、売上目標に合わせるために製造数をちょっと増やしてみたり、無理に最小ロット数に合わせて作って、やっぱり余ってしまうっていうことがあったんですね。
製造数を決めるタイミングでは、クリエイティブ部門の方で既にグッズを作ることが決定しているので、採算が合わないからといって今さら企画を中止することはできないんです。
なので、企画の初期段階で、製造数に関するコンセンサスがとれたらいいなと思っていました。そもそも製造数が多くないと採算が合わないものは作らないとか、そのIPコンテンツをグッズ化すべきかどうかの判断とか、部門が異なっていたこともあり、なかなか踏み込めていませんでした。
CollectroのIPDBデータベースについては、過去の実績をもとに、説得力のある数字が出せたり、属人化している業務を数字で判断できるようになりそうな点を魅力に感じたのが導入のきっかけですね。(山本氏)

決定から導入のプロセス
Hogetic Labを選んだ決め手をお伺いできますか?
当社のコンテンツを一緒に理解するところから始めてくれたので、今後も一緒に走ってくれそうだなというのが最初のきっかけですね。
もうひとつは、Hogetic Labだと、オープンデータと社内データを複合的に分析できるのが魅力でした。
当社では、自社コンテンツだけでなく、社外のIPコンテンツも取り扱っていますが、こちらはかなり失敗が多かったんですよね。企画側はIPコンテンツに対する思い入れが強くて売れると思っていても、販売側はそう思っていなかったりして、うまく連動できない部分がありました。なので、社内データだけでなくオープンデータも分析できるのは必須だったんです。
先ほどの企画立案と製造数決定の話にもつながりますが、Hogetic Labと取り組みを進めたら、部門を超えて同じデータを見ながら企画を検討できるようになるし、個人の思い込みで行っていた業務から脱却できると思い、決定しました。(山本氏)
導入する際のプロセスはいかがでしたか?
データウェアハウス構築のために、社内で過去のデータをまとめることが一番たいへんだったかなと思います。分析に必要なデータを100%の状態でお渡しできなかったのは心苦しかったです。
元々あった仕事に加えて、Hogetic Labとの取り組みのためにデータを整理しないといけなかったので、一時的に業務負担が増えましたが、結果としては効率化につながったので良かったかなと思います。(堀本氏)

Collectro導入で改善されたことと今後の展望
実際に導入してみて、どういった点が改善されましたか?
まず、製造数決定のための会議時間が大幅に短縮されました。以前は、過去のデータを探してあちこち参照しながら検討していたので、会議に半日以上かかることもありました。今はCollectroを見ればすべてのデータがそろっているので、会議にかける時間が相当数減ったと思います。(山本氏)
製造数決定は、僕と山本さんの2人で担当していましたが、今ではデータに基づいたロジックがあるので、Collectroを使えば誰でもできるようになっています。消化率も10~15%ほど上がってきていますね。
イベントの担当者が製造数を決定することで、グッズの企画から在庫の処理までを自分で見られるようになったのも良かったと思います。自分が製造数を決めたものが、これだけ残ってしまったと考えるきっかけになったので、チームの意識も変わりました。
製造数決定は、これまで個人のスキルに頼っている仕事でしたが、考え方を知っていれば誰でもできる仕事になったのが、一番の変化です。(堀本氏)
Collectroのオリジナルダッシュボードの使い勝手はいかがですか?
Collectroのダッシュボードでは、イベント分析を主に使っています。今まで、売上実績のデータ、個別の商品の売上データ、ECの売上データの3つを見比べながら仕事をしていましたが、Collectroで一斉に見られるようになったのがよかったです。使い勝手は良いですね。(堀本氏)

今後の展望を教えてください。
今後は、より細かくデータを検証していきたいと思っています。たとえば、事前通販と事後に発送する場合にどのぐらい影響に差があるのか、VIP特典がどう売り上げに影響してるのか、などでしょうか。
消化率を上げるという最初の目的はクリアしたので、Collectroを活用して売上向上のための施策を考えるのが次の課題です。(堀本氏)
Collectroのオススメポイント
実際使っていただいた目線で、Collectroの導入を検討する企業に向けて一言お願いします!
小売業などで、その商品がなぜ売れているのか、理由がわからないまま進めている会社もあると思います。企画側も、なぜか急に注文がたくさん入ったけれど、なぜ売れてるのかがわからない。でも、ラッキー、くらいに考えていると思うんですね。そういった会社で、なぜ売れているのかを考えられるようになるので、Collectroを導入することで業務が変わると思います。(山本氏)
